MEALCRAFT COFFEE BLOG - ミールクラフトのコーヒーブログ

越後妻有、新潟県十日町市にあるスペシャルティコーヒー豆専門店『ミールクラフト』のコーヒーブログです。

裏方のおしごと(ハンドピックの話)

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※結構な吹雪と積雪になりましたが、一歩ずつ春の兆しを感じる煌めきです(^^)

春が近づいているなぁと思っていた矢先の積雪、皆様がお住まいの地域は大丈夫でしたか。車の運転など、どうぞお気を付けて下さいませ!

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先日、背筋が伸びるようなドキッとすることがありました。

 『こちらのお店は、きちんとハンドピックされているのですね。』と。

お客様より、購入した焙煎豆をみて私たちの仕事を評価していただいたのですが、隅々までチェックしてもらうと…改めてドキッとしてしまいますね(^_^;

スペシャルティコーヒーは現地で徹底してハンドピックされてから出荷されているものが多いため「ハンドピックはしない」お店もあるようです。手間がかかりますので、特に大量に取り扱う大手さんなどは省きたい仕事なのかもしれませんね…。

しかしコーヒー豆は "農作物" でありますので、スペシャルティコーヒーといえども、ごく少量の欠点豆や時々異物の混入があります。
ミールクラフトでは、雑味に繋がる欠点豆(虫食いや未熟豆)は出来る限り取り除くべく店頭に出す前に《ハンドピック=検品》を必ず行っています。

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※見苦しい写真で失礼します。ハンドピックした欠点豆(虫食い)です。

まず入荷時に生豆の状態をみて、焙煎前に一度ハンドピックを行います。焙煎してしまうと見極めが難しい虫食いなどの欠点豆が多い場合はここで除去します。

そして、焙煎後は未熟豆。これは生豆の状態では見つけにくいのですが、焙煎すると色が付きにくく浅く煎り上がるので見つけやすいのです。未熟豆は渋みや雑味の大きな原因になる豆ですので徹底的に排除します!
あとは貝殻豆や欠け豆など。貝殻豆自体は直接的な雑味の原因ではありませんが、少し味が抜けた感じにもなりやすいので、なるべく取り除くようにしています。柔らかい豆は欠けたり割れやすかったりするので、とくに焦げになった豆を取り除きます。あとは美味しくなさそうな様子の形の悪いものや色味のものなどを取り除いていきます。
時々稀に、トウモロコシなどの異物があると、ポップコーンになって出てくる事もあるんですよ(^_^;

スペシャルティコーヒーだからこれぐらいの欠点豆ですんでいますが、ローグレードのものは半分ぐらい欠点豆!なんて豆もあるそうです。それを取り除かないで挽いてしまったり加工したら…見た目では分からないし、飲んだらそれはもうえぐみや雑味の嵐なのは当たり前ですね!たくさんの人の目や機械でチェックをして洗練されていっていますが100%取り除くのは正直難しいのも事実です。もし欠点豆を見つけましたら…挽く前にそっと取り除いてあげて下さい(^^)

改めて。こんな感じがコーヒー豆の【ハンドピック】のお仕事です。
すごい技術とか執念とかでも何でもなく、「検品」として普通に行っているお仕事です。コーヒー豆が持ってる香味をより正確に表現できるように、ロースターが出来る限りのお仕事の一つだと思っています。

焙煎が多いとハンドピックが追いつかなく、営業中にケースが空になる事もたまにあるのですが…(^_^; 手間暇惜しまずこれからも変わらず励みます!

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昨日は3月11日。震災から4年の節目の日でした。
様々なメディアで特集が組まれ、現状をまた知るきっかけになります。
復興が進んでいる事柄もありますが、まだまだ辛い現実が多く、何も出来ずにいる自分にモヤモヤしてしまうのですが「無関心でいない」という事が先ずは大事なんだと、改めて考えるきっかけにもなる大事な節目だと思います。
毎日聴いているラジオ、生島ヒロシさんの『おはよう定食/おはよう一直線』は、被災地の気仙沼から生放送でした。わりといつもと変わらない雰囲気で明るく、でもなんて言うか…、「想い」が伝わります。生島さんっぽくて良い放送でした。

改めて。明日も元気にお仕事できる事、生活できる事に感謝を込めて…。