MEALCRAFT COFFEE BLOG - ミールクラフトのコーヒーブログ

越後妻有、新潟県十日町市にあるスペシャルティコーヒー豆専門店『ミールクラフト』のコーヒーブログです。

【ハワイコナ農園訪問記】Mountain Thunder coffee (3)

農園訪問記、お久しぶりの更新になりました<(_ _)>
続き↓

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ウエットミルから、乾燥場へ移動しました。

毎日夕方に雨が降るコナなので、屋根付です。
 
収穫前なので、まだ豆は引き詰められていません(^^ゞ
ウエットミルで剥いた豆をここに平らに並べて乾燥させます。

この乾燥場、所々に穴が開いているのが見えますか?
実はこの地下にはドラム式乾燥機が設備されていて、穴から直接機械に繋がっています。
乾燥具合によって、機械と併用しているそうです。
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とても立派な機械です。
ここまでの設備を持っている農園も、ハワイでも数少ないのでは。
さすが、エンジニア出身のオーナーさんです。


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次はドライミルへ。
ドライミルは、脱穀工場です。
ウェットミルで精製した豆は、薄皮が付いて乾いた状態となりますが、その薄皮を剥く工程を行います。(お米だと、玄米から白米に精米するイメージでしょうか)

ここまでの機械をもっているのもハワイでも数少なく、他の農園の分も依頼を受けて脱穀しているそうです。
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斜めになっていて、揺すると、グレードの悪い豆は下の方へ、良い豆は上の方へ移動されます。不思議です。豆の質量とかによるものでしょうか。
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これは、日本のお米でも使われている高性能な選別機です。
コンピューターでチェックし、不要物や欠点豆を空気銃のように弾くそうです。


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次は焙煎室へ。
2台とも、ちょうど焙煎中でした。
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かわいい焙煎士さん。良い笑顔!


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焙煎機…

ミールクラフトと同じ<ディードリッヒ君>でした!!
(あちらでは、ディードリックと言っていました。)
エンジニアで機械に詳しいオーナーさんも認めるマシン、ますます誇りに思ったのでした。


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ショップでは、コーヒー豆やグッズが所狭しと並んでいました。
マウンテンサンダーさんは農園を始めて15年程とのことですが、農園作りから精製、そしてコーヒーになる迄において一貫して良いコナコーヒー作りを目指し、その結果、シールズ・オブ・ハワイUSDAオーガニックGOCAオーガニックの認証、グッド・フード・アワード金賞受賞など、数々の栄誉を受けています。
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オーガニックで作るのはとても手の掛かる作業です。

木が若いうちは周りの雑草に負けてしまう事も多いそう。肥料も強いものは使えないので、生産性は低くなります。
また害虫対策も、虫の嫌がり病気予防にもなるニーム油を使ったり、菌を使ったりするそうですが、「負けてしまう事が多い」とのこと。虫の被害にあった木や実は、取り除き燃やすそうです。
もう、コレを聞くだけでも途方もない作業ですよね。

また、水はとても大切な資源。ウエットミルで使った水は養分を含んでいるのでコーヒーの木にまいたり、剪定につかった木はチップにして土壌にまぜたり、殆どのものが再利用されているそうです。

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マウンテンサンダーさんは「おいしいコーヒーを作る為に、環境を作り、設備を整え、一杯のコーヒーになるまで手を抜かない」。生産者でありながら、消費者目線でものづくりをされています。ハワイに来て、誇りを持ってコーヒーの仕事をしているこの循環が見られた事はとても貴重なことでした。
生産、流通、加工、販売…それぞれの専門の仕事を、一貫して見られる人はなかなかいません。どんな仕事も実は結構当てはまる事ではないでしょうか。
コーヒー豆を作る人が味を分からない、コーヒーを売る人が産地の事を知らない。そんな事の方が実は多かったりします。循環していく為には、どこで何が求められているか、知る必要があります。美味しいコーヒーを飲む為には、生産者の方が美味しいコーヒーを知る必要があります。最近では生産者がカッピング技術を学ぶようにもなってきました。私達提供側も産地を知り、美味しさを追求し、そしてコーヒーの楽しみを広める努力が必要だと、改めて感じました。

先日のサステイナブルコーヒーセミナーを思い出します(^^)


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<おまけ>
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農園では、ハワイ古来から親しまれているママキ(お茶になります)も、オーガニックで育てているそうです。
葉の裏は、赤い葉脈が有り人の血液の流れを連想させ、健康に良いと古くからお茶として飲まれているそうです。
中国茶のようにお湯を差して何煎も飲めるのもいいですね!